imagesお役立ち情報

パレット積載重量の考え方│トラックの運搬や輸出入に役立つ知識

パレット積載重量の考え方│トラックの運搬や輸出入に役立つ知識

パレットには安全に荷物を運ぶために最大積載重量が定められていています。パレットにどれだけ荷物を積めるかどうかは素材や形状によって異なり、この基準を超えて使用すると、パレットが破損して事故にも繋がるため、決まりを理解して遵守することが大切です。JIS規格でも、物流や輸出・輸入の現場で共通に使用できる基準を定めていますので、参考にしてください。

パレットの積載重量

パレットを使用して荷物をどれだけ積めるのかを考える際には、パレット自体の最大積載量と、パレットを積むトラックやコンテナの最大積載量に分けて、両方を考える必要があります。


パレットへ積載するとき

パレット自体にどれだけの重さの荷物を積めるかを考える際には、動荷重と静荷重の違いを知る必要があります。動荷重は車や船が移動しているときに荷重が一時的に大きくなることを考慮して定められた荷重で、静荷重は持ち運びしないときにどこまで耐えられるかを示す荷重です。動荷重は静荷重の2分の1~4分の1になることが多く、パレットは一般的に運搬に使用されますので、最大積載量=動荷重が基準となります。


動荷重

 

動荷重はパレットに貨物を載せてリフトやトラック、コンテナで運搬する際に耐えられる荷重です。コンテナは輸送に使用されることが多く「動く」ことが前提となるため、一般的に最大積載量は、動荷重が使用されます。移動しているときには、遠心力などによってパレットにかかる重量が重くなりますので、静荷重が3,000kg、動荷重1,000kgの場合、荷物を載せる量は1,000kgまでにしなければなりません。

静荷重

静荷重は、パレットを持ち運びせずに上に荷物を載せて耐えられる荷重です。荷物が安定して置かれているので、途中で重量が変わることがなく動荷重よりも重い重量まで耐えることができます。

倉庫などに段積みする際に、何段まで重ねることができるかを判断するため、静荷重が使用されます。

環境により変化する耐荷重

動荷重と静荷重は、温度変化や経年劣化によっても変化します。やはり長期間使用しているとパレットが劣化しますので、新品の時の最大積載量を長期間載せていると破損にも繋がります。コストが下がるからと積みすぎず、老朽化したパレットはすみやかに交換してください。

パレットを積載するとき

荷物を積んだパレットはさらにリフトや台車で運び、コンテナやトラックの荷台に載せて運搬されます。これらの運搬車両などにも、最大積載量が定められていますがこのときにパレット自体の重量を考慮する必要があります。

パレット1つあたりの重さは8kg~50kgで、素材や構造、厚みによって異なります。一般的に紙やプラスチックのパレットは軽量で、木製や鋼製のパレットには重みがあります。また、パレットを使用する面が決まっている片面パレットよりも、表裏どちらを上にしても使用できる両面パレットの方が比較的重さがあります。

素材別・パレットの積載重量

パレットの素材は、木、プラスチック(樹脂)、鋼、紙などさまざまで、強度や重さが異なります。

 

木製パレット

木製パレットは古くから使用されているパレットで、最大積載量は0.5t、1t、1.5t、2tなどさまざまです。最も多く使用されているのはJISでT11型と規格化されていて耐荷重が1tのパレットです。

また、木製パレットの重さは16kg~17kgとされていますが、「ユーロパレット」、「ヨーロッパパレット」と呼ばれる長方形のパレットは約25kgと少し重めになっています。

木製のパレットは、丈夫で使いやすいですが雨などで水を吸ってしまうと重量が重くなったり、高湿度環境では腐食により劣化して強度が下がってしまうため注意が必要です。

 
 

プラスチック製パレット

プラスチックパレットは、他の素材に比べて腐食に強く異物が混入しにくいため広く使用され、動荷重は1000kg~1t、静荷重は2000~4tなど種類や大きさによって異なります。

プラスチックは木製パレットよりも軽いため、より多くの荷物を積み込むことができ、雨の影響も受けません。衛生面の観点からも、プラスチック製のパレットの使用は増加傾向にあります。

 

鋼製パレット

金属製のパレットは耐久性もあり、最大のメリットは自由な形状が選べて強度が他の素材よりも高い点です。サイズや形状はさまざまですので、耐荷重は、動荷重600kg~3t、静荷重2000kg~9tのものまで幅広くあります。

パレットの重さ自体は他の素材よりもかなり重さがありますので、一度に運べる量は少なくなります。そのため多くの業界では使用されていません。


紙製パレット

紙製パレットは軽くて持ち運びが簡単なパレットで、主に1回毎の使い捨てで使用されています。強度は他のパレットよりも劣りますが、パレット自体の重さが約5kgほどで軽量ですので取り扱いしやすく、多くの量を積むことができます。軽い荷物をたくさん運ぶ場合におすすめです。

JIS規格で定められている積載重量

日本で流通しているパレットには様々なサイズがありますが、JIS規格で「一貫輸送用平パレット」と定められているのが「T11型」(通称:イチイチ)というパレットです。サイズは1100×1100×144mmで、耐荷重は1tとされています。

こうして基準が定められていることにより、製造する会社が違う場合も、使用する度に確認しなくて良いため、作業効率化に繋がります。

パレットの積載重量まとめ

パレットの最大積載荷重はさまざまであり、運搬する資材に合わせて選択する必要があります。またパレットを積み込む先の最大荷重を超えないように、パレット自体の重さを考慮することが大切です。

最大積載量を超えた状態で荷物の運搬や保管を行った場合、パレットの破損による危険性が高まったり、規則違反として取り締まられる可能性もあります。

トラデポでは、輸送に便利なサイズや素材の異なるパレットを多く取り揃えておりますので、お気軽にご相談ください。